チャプター 81

マーク視点

また夢を見た。

いつだって始まりは同じだ――ムーンライト・パックの領地の上に沈む漆黒の空、見えない獣の爪のように木々の間をこすり抜ける冷たい風。だが今夜の闇は、いっそう重かった。まるで森そのものが牙を生やしたみたいに。次に聞こえてきたのは遠吠えだ。狩りに向けて気勢を上げる狼たちの声じゃない。どこか欠けて、ささくれて……ローグが血の味を確かめるような音だった。

夢の中で周囲を見回し、混乱の源を探そうとした。けれど情景は、指の間から煙がすり抜けるみたいに滲んでいく。影が動いた――狼も、人間も。だが顔はなく、色もなく、輪郭もない。誰かをつかんで止めようと手を伸ばすのに、指先は空を切...

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